2014年4月10日木曜日

突然鍋、300円也

仕事の面接後、疲れてハウスに戻ると、顔見知りの旧住人がいた。

管理人のお気に入りの、料理が上手な若い男性。
本当にいい人だ。
遊びに来ているらしい。

聞けば、今夜は鍋を作るとのこと。
管理人曰く「今日は300円だよ。」だって。

ここでの夕食はたいてい会費制だ。
部屋に帰って夕食を作る気にもなれなかったから、300円払って食べることにした。

もっとも大なべに作ったのをテーブルにおいたら、みんなが群がる、という至って原始的な食べ方だけど。

その間に、いろいろおしゃべりしたりしている。
お金が余れば次のためにプールする。
それほど厳密にも計算していないし、彼が作るなら料理ならどうやってもおいしい。

で、かなり待ってもまだできない。

キッチンに行くと彼一人で奮闘している。
「味が決まらない」なんてぼやいている。
味見すれば、そんなことはない。

十分にうまい。
でも、まだ肉が煮えてない。

部屋で食った方が良かったか、と思った時にようやく出来上がった。

食べ始めると、なんでこれほど時間がかかったのか原因が鍋の中にあった。

ひき肉としいたけを刻んで油揚げの中に詰めてある。

これを作っていたからだ。

でも、待った、そして時間をかけたかいがあった。
絶品だ。

彼の味のセンスは良いから、適当に作ったってまずくなりようがない。

彼は遅くなったことに恐縮していたが、もう誰もそんなことは気にしない。

旨い食べ物は、人をやさしくする。
おいしいものを食べている時に不機嫌になるなんて、無理な話だもん。

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