冬のある日、寒い中を歩いてきたフランス人の友人の友人。
鍋を食べにきた。
ものすごくスマートな人で、話が面白い。
そういう人はいつでもウエルカムだ。
ほとんど、雪だるまになっていた。
かわいそうに。
この日は、タラのアラで作った鍋だ。
15分ほど経って出来上がったから、早速みんなで食べ始めた。
タラが新鮮だったせいか、物凄く旨い。
会話をする余裕もなく、3人とも無言で食べ続けた。
寒い日にみんなで食べる鍋、美味しさは増殖される。
グルテンアレルギーの友人のために、うどんではなく、春雨を使った。
これが、美味しい汁を吸って劇的に美味しくなっていた。
黙々と食べ続けてある程度無くなった。
そこで初めて鼻の頭を赤くして彼女が言う。
「ああ、美味しかった・・・・」
以前に友人達に餃子を振舞ったことがある。
無言で食べ続けて腹一杯になってからようやく「ああ、美味しかった・・・」と言った。
その5分後、静かだなと思ったら何人か爆睡していた。
ちなみに彼らは日本人だ。
まあ、美味しい食べ物への反応は、誰でも同じってことだ。
「美味しい食事は楽しい会話から」なんて言うのは嘘だと思う。
会話するのは食った後だ。
旨い物を食っている間会話をする暇などない。
それに、熱いうちに食べた方が断然おいしい。
「パーティ」という名の「食事会」とは、全く別の「食事会」。
食べる時に会話しなくてもいいじゃないか。
美味しさの思い出を共有できるんだからさ。
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