赤福、という有名な伊勢名物がある。
一度食べたことがあるが、甘くて不味くて「名物にうまいもんは無いなあ」と思った。
その後、消費期限を偽装して販売していたという、農林水産省の調査が発表された。
なんと、その期間、30年。
私が食べたものも、作られてからかなり経った赤福だったことは間違いない。
食えなくはないだろうけど、不味いはずだ。
もちろん、当時の会長はその偽装期間の社長でもある。
会長職を引責辞任して、その息子を社長に立てて、すべての後始末を押し付けた。
それが、2007年の話。
息子は、その後必死に頭を下げまくり、昔の「家業」を「企業」にしようと努力した。
社外は元より、社内の「変えない社員」との戦い壮絶だっただろう。
そして、その7年後、評判も売り上げも戻った頃、その問題を起こした当事者の親父と母親が彼を解任する。
親父は、この会社の85%を持っている会社の社長だ。
さすがに、社長職には戻れない。
だから、妻を据えた。
つまり、この会社、元々、別会社の社長が90%以上の株を持っているということ。
それは、偽装を30年やり続けた親父だ。
7年前、話題の会社名での会長職は引責辞任しているけど、表向きだけ。
実質の権力は何も変わっていない。
で、7年経って業績も信用も回復したら、息子のやり方ではなく「昔のやり方」に戻るらしい。
私は、間違っても買わないからいいけど、定番土産を買って安心する人は、こんなこと、知らないだろうな。
そういう人もまた、有名なものを買える自分に酔っているんだから。
変わらないのは、消費者も同じだ。
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