少しだけ冷凍しておいたものを解凍した。
あの秋のうまさが蘇った。
でも、その風味は、たった2日しか持たなかった。
ぶどうのフルーツソース、当時、あまりのうまさに好奇心が暴走して、いろいろ実験してみた。
紫色のぶどうと、緑色のぶどう、どっちがうまいんだろうか?
材料が絶対うまいと判っているから躊躇わない。
だから、ある休みの日、いつもの八百屋で、緑色のぶどう、アレキサンドを購入して作ってみた。
このソース、種を除くのが大変だ。
でも、これをしないと後々たいへんなので、時間をかけて取り除いた。
そして、アルミの圧力鍋に入れて調理した。
なんとなく嫌な気分がした。
たしか、アルミと酸は相性が悪かったような気がした。
ただ、「何が悪いか」は覚えてなかった。
で、調理後に蓋を開けると、赤いジャムが出来ていた。
頭に「?」がたくさん浮かんでは消えるが、鍋の中のジャムは赤いままだ。
目の錯覚ではない。
嫌な予感は正しかった。
これが「相性の悪さ」だった。
別に毒ではない。
ただ、赤いだけ。
味はおいしいけど、なんとなく違和感を感じる。
風味もなんとなく悪い。
ちなみに、ステンレスの鍋で作ったものは、赤くならなかった。
ただ、風味はキャンベルより弱い。
もっとも、解凍したキャンベルのフルーツソースも2日目からはただのフルーツソースでしかない。
だから、おいしいものは、その時にみんなで食べるのが一番なのかもしれない。