2014年1月28日火曜日

緑色のぶどうから赤いジャム?

昨年の秋、ぶどうのフルーツソースにはまった。

少しだけ冷凍しておいたものを解凍した。

あの秋のうまさが蘇った。
でも、その風味は、たった2日しか持たなかった。

ぶどうのフルーツソース、当時、あまりのうまさに好奇心が暴走して、いろいろ実験してみた。

紫色のぶどうと、緑色のぶどう、どっちがうまいんだろうか?

材料が絶対うまいと判っているから躊躇わない。
だから、ある休みの日、いつもの八百屋で、緑色のぶどう、アレキサンドを購入して作ってみた。

このソース、種を除くのが大変だ。
でも、これをしないと後々たいへんなので、時間をかけて取り除いた。

そして、アルミの圧力鍋に入れて調理した。

なんとなく嫌な気分がした。
たしか、アルミと酸は相性が悪かったような気がした。

ただ、「何が悪いか」は覚えてなかった。

で、調理後に蓋を開けると、赤いジャムが出来ていた。

頭に「?」がたくさん浮かんでは消えるが、鍋の中のジャムは赤いままだ。

目の錯覚ではない。

嫌な予感は正しかった。
これが「相性の悪さ」だった。

別に毒ではない。
ただ、赤いだけ。
味はおいしいけど、なんとなく違和感を感じる。

風味もなんとなく悪い。

ちなみに、ステンレスの鍋で作ったものは、赤くならなかった。
ただ、風味はキャンベルより弱い。

もっとも、解凍したキャンベルのフルーツソースも2日目からはただのフルーツソースでしかない。

だから、おいしいものは、その時にみんなで食べるのが一番なのかもしれない。

黒い塊はいったい何?

朝食にパンを食べたくなった。

だから、夜遅く、材料を計量して機械に放り込んだ。

すると小麦粉が足りない。
すでにいくつかの材料は投入済みだ。

薄力粉はある。
でも、これは論外だろう。

夜も遅く、スーパーに買いに行く気分でもない。

色の茶色い地粉はある。
これをいれすぎると「あまり膨らみません」とパンメーカーには書かれている。

同じ小麦粉だ。
パンにはなるだろう。

だから、強力粉の代わりに放り込んだ。

しかし、読みが甘かった。

朝、出来上がりのブザーを目覚まし代わりに、寝ぼけた目で蓋を開けると、そこにあるのは黒い塊だった。

どう見たって、牧場のあちこちで見かける「牛が落としてゆくもの」にしか見えない。

たしかにパン焼き器に入っていたものだが、これを「パン」と呼ぶには、パンに失礼な気がした。

これは、食べものだろうか。
自分の作ったものだけど、疑ってしまった。

ほとんど膨らんでいない。
恐る恐るナイフを入れる。

ちゃんと切れるけど、まあ、硬いことこの上ない。
スライスしたものを齧ってみる。

味はめちゃくちゃうまかった。

精製した小麦粉から出来るパンより、断然味わい深い。
ただ、パンらしくないだけだ。

そういえば、ドイツなどのハードパンもとてもおいしい。

ただ、総入れ歯の人間(私)には優しい食べ物じゃあない。

ともかく、膨らんでないから、薄くきることはできる。

これはこれで結構おいしい。

ただ、意図的に作るか、というと微妙だ。

だって、焼きたてパンの夢見るような匂いを出しながら、蓋を開けると、牧草に落ちてる黒い塊なんだから。

私の美意識はこのギャップに耐えられそうもない。

マーガリンと表示しないでマーガリンを売る

大手企業の広告に驚愕した。

マーガリン3種類を全面的に売り出している。
でも、その広告のどこにも「マーガリン」という単語は使われていない。

「3つの選べるおいしさ、脂肪分70%オフ」という宣伝の元に提示されているのは「オフスタイル」という商品名だ。

「マーガリン」という単語は製品の下に一ヶ所しか使われていない。

しかも、その文字の大きさは商品名の20分の1の大きさである。
加えて背景色と同系色で表記されているから目を近づけないと読めない。

商品の売りは「従来のマーガリンより脂肪分が70%少ない」ことだ。

アメリカではマーガリンの使用が原則禁止されるように、トランス脂肪酸の危険さが認知され始めている。

しかし、日本でそんなことは起きようがない。
なぜなら、大企業の儲けの基になるものを、仲間である政府は絶対規制しない。

でも、マーガリンでは商品が売れない。
だから、日本では「マーガリン」であることをぼかして商品を売る。

しかも、前面に押し出しているポイント
がすごい。
従来より脂肪分が大幅に減ったことに合わせて、食物繊維があることやキャノーラ油を使うなど「健康的」なイメージを売り込んでいる。

マーガリン自体が「危険」なのにもかかわらず、こんな広告も問題にならない。

マーガリンが危険であり、アメリカで原則使用禁止になったことも、大手新聞は大きなニュースにしなかった。

これからも、大企業が儲けのために、メディアと結託して商品は売り出されるだろう。

「大企業のブランド」を信用するのは消費者の自由だ。

しかし、その選択の結果は、自分自身の責任だ。

材料を手に入れる苦労

健康ブームで、大手企業も「エナジーバー」や「グルノーラバー」などお手軽で「ヘルシー」なイメージの簡易食を売り出している。

ただ、甘味が強い。
ある商品はほとんどチョコレートと砂糖だ。

「おいしく」感じるのは甘味だ。
これでは、缶ジュースと同じように甘味中毒になってしまう。

だから、自家製のエナジーバーやグルノーラバーを作る人も多い。
レシピもWEBに舞っている。

単語が違うとレシピも違っていて面白い。

ただ、基本はどれも同じ。

ナッツやドライフルーツをオートミールや粉類で固める。
固める方法は、マシュマロが一般的だが、それ以外では「粉」で固めている。

そんなレシピを参考にしながら、グルノーラバーを自分で作ろうとした。

そこで苦労したのが、材料集めだ。

まず、オートミール。
これは何とか手に入った。

そしてナッツとドライフルーツ。
これが大変だ。

まず、砂糖を使わないドライフルーツがほとんど売っていない。
WEBで探しても、何社しか販売していないし、とんでもなく高い。

大体、ドライフルーツ自体が手間かかるから、値段が高くなる。
砂糖を使わなきゃ、保存も利きにくい。
当然、値段も高くなる。
だから、売れない。
だから、店もあまり扱わない。

販売しない理由は明快だ。
商売なら仕方ないだろう。

そんな苦労をしながら、ふと思った。

自分でドライフルーツを作るのが一番いい。
近所の八百屋では、バナナもキウイもパインも安く売っている。

でも、エナジーバー作るのに、いったいどれだけ時間かかるんだろうか。

値段と食べ物

ある休日、一日シェアハウスの大工仕事に他の住人と費やした。

そうしたら、管理人が近所の美味しい弁当をおごってくれた。

彼の奥さんは、ちっちゃな子供といっしょにシュークリームを持って来てきてくれた。

彼らは、値段については一切話さなかった。

ランチは、素朴な味だけど、とても美味しい。
さばの弁当、おかずは全部普通の家庭料理だ。

でも、盛り付けも色もお世辞にも「魅力ある」ものには見えない。
でも、ここで買う人には関係ないんだろう。

だって、ほんと、旨いもん。

特に大根の煮付けが美味しかった。
管理人は、この店をやっている人の背景や他のメニューの話をしてくれた。

メニューがみんな違ったから、大根の煮付けをみんなに味見させた。
食事を分け合うというのは、親近感も増える。

そんな時間を自分自慢に費やす人もいる。

持ってきた食べ物がどれだけ、有名で、お値段は「こんなに高いのよ」と、とうとうと語る。

貰った私は、友情のためにも、それをありがたがる「必要」がある。

まあ、相槌打つ位しかしないけど。

貧しき友人達での話題は、食べ物がどれだけ安かったかだ。
だって、生活かかっているから。

ただ、奢ったものの値段を話題にする友人と、しない友人、食べ物に対する価値観が浮かび上がる。

それ以上に、人間性まで現れるというと大げさだろうか。

食べる行為は、本当にその人の人間性を浮き彫りにする行為だ。

結局、食欲や性欲、人間の欲望に基づく行為はどれも、相手の人間性「そのもの」に向き合うものかもしれない。

2014年1月25日土曜日

手羽先スープの悩ましさ

手羽先、スーパーで割引になっていることも多くて良く使う。

煮込めば肉は骨からぱらぱら取れるから、2日ほど煮込むけど、問題はその後だ。

食べるときに、小さい骨がたくさん「ばらばら」になってスープの中で散らばることになる。

手羽先を食べると、鳥の羽にどれだけの骨が使われているか良くわかる。

小さな骨が筋肉と筋で繋がっているからか、歯位の大きさの骨を避けながらスープを食べることになる。

このスープに合わせるのは、大体がキャベツだ。

半分ぶち込んでも2回で食べ切れる。
キャベツがおいしい冬にはよく作るスープだ。

このスープ、骨からだしが出るので、調味料で必要なのは塩だけ。
他は何も要らない。

ただ、時間がかかるだけ。

市販されている鶏がらスープを使えば、このスープも20分でできる。
大企業の売り出しているチキンスープ、骨を取り除く必要もないし、そこそこおいしい。

お料理のレシピには、コンソメやこの粉末がよく使われている。
私も常備はしているが、最近は使う量が減ってきた。

チキンスープ、作って冷凍しておけばいつでも使える。
しかも、いっしょに鳥の胸肉を茹でてほぐせば、おいしい食材になる。

何より、分量を量ったりする必要がない。

解凍するだけ。

でも、複数人で食事するなら冷凍する必要がないのだから、やはり本来食事はみんなで食べるものなのだろう。

もっとも、鳥の小骨を吐き出すところを見せていい人は限定されるけど。

2014年1月24日金曜日

爆発するコロッケ

油が少ないことは、知っていた。
パン粉がないことも知っていた。
だから、食パンを買って作った。

今晩どうしてもコロッケを作る必要があった。

ただ、油があんなに足りないとは思わなかった。

フライパンに入れてあまりの少なさに愕然とした。

でも、どうしても今作る必要がある。
店までとても買いに行く元気なんかない。
夜も遅い。
外は雪が降っている。

仕方が無いから、泣く泣く値段の高いオリーブオイルをぶち込んだ。
それでもコロッケがようやくかぶるくらいだ。

しょうがない。

油を熱くしてコロッケを入れる。
上はうっすら油に浸っていない。
下部が固くなった頃、ひっくり返した。

そうしたら、中身が飛び出した。
もう、ひとつは飛び出さなかったけど端がだんだん崩れてきた。

まだ、油とコロッケの区別はつくが、それも時間の問題だ。

応急処置ができるわけでもなく、そのままだましながら揚げて取り出す。

中身が飛び出したコロッケ、まるでコロッケ型の携帯カバーみたいになってしまった。

冷凍できないから食べたら、ものすごくうまい。

そもそも、揚げたてのコロッケにまずいものなんてあるはずがない。
しかも、オリーブオイルで揚げているんだから。

で、中身が見当たらないが、とりあえず終わらせて油の処理をした。

底の方から黒い揚げかすが出てきた。ほとんど粉末だ。

なるほど、これが中身か。

お弁当用のてんぷら鍋が小さくて深い理由がようやく分かった。
揚げる食材が油に全部浸かっていないと失敗する。

だって、半分しか浸かってないと、裏表で温度が違うんだから、そりゃあ、崩れるわ。

とりあえず、おいしいから、まあ、いいか。



コンビニでフォアグラを売って餓死者が出る国

どこかのコンビニがフォアグラ弁当を企画したが、消費者の声で販売を止めたそうだ。

その理由はフォアグラが「残酷」な作り方で作られているからだそう。

面白いのは、食べられないとうもろこしを食べさせられて、病気寸前になる牛肉を大量に作り、大企業のハンバーグに使われているのは誰も問題にしない。

また、アルコールを飲ませて柔らかい牛肉にして食べるのも問題ないらしい。

病気的な食べ物を食べてないなら、そもそもこれほど肥満や糖尿病が世界中で蔓延しているわけがない。

そして、もっと悲惨なのは「コンビニ」というレベルで高級食材のフォアグラを添えて販売しても「儲かる」という国であることだ。

加えて、そういうコンビニを使う人達は「収入が少なくてやってゆけない」と語り、そんなコンビニがたくさんある都会では餓死者が出ている。

私には理解できない。

フォアグラは好きだけど、それはフレンチレストランで、何年に1回食べるものだ。

コンビニで売られるフォアグラを「買って食べる」選択をする人達、もとい、企画する人達の気持ちが分からない。

その企画には大量の正社員が会議時間を費やし、正社員という給与と特権が与えられている。

それを売るコンビニの店長やアルバイトの時給はすずめの涙だ。

食いしん坊の私には、この企画をする人も、それに文句をつける消費者がいる国が向かう「食」への意識が怖い。

金を払えばなんでも食べられる国。
食べられない人が無視される国。

食べ物を分け合うことは、誰が教えるんだろう?

2014年1月8日水曜日

正月料理の格闘

年末の正月料理のシーズンだ。

御節料理という分野に目ざめたのは、ばあちゃんが入院した年だった。
彼女が作る美味しい御節が食べられなくなった年だ。

当時は、実家に帰りもせず都会のばあちゃんに正月料理をおすそ分けさせてもらっていた。

その彼女が股関節を骨折し入院。
正月を病院で過ごすことになった。

じいちゃんが5000円渡してくれて「これでデパートで買って来い」と言われた。

でも、この金額でデパートの御節は買えない。
だから、自分で作ることにした。

本のレシピを読んでとりあえず作ってみたら、むちゃくちゃ旨い。
そして、すごく簡単だ。

じいちゃんと二人だけのお正月をして、それを食わせたら彼が最初に言った言葉。

「ばあさんにも食わせてやりたい」だった。

当時、ばあさんの正月料理をあてにしていたのは私だけではなかった。

娘は何一つ料理せずにタッパを持ってやってくる。
孫はお年玉を貰うため付いてくる。

その年、彼らも私の御節を食べたら「来年からはばあちゃんが作らなくてももいいね」と言われた。

次の年も私が作った。
娘夫婦は、だんだん図に乗って2年後はタッパを持ってやって来た。

何一つ作らず私が作った正月料理を食いながら「去年より腕が上がったな」とのたまった。

次の年から、実家に戻ることにした。

今、別の親戚のために料理する。

彼らは、感謝の言葉と共に、猛烈に食べてくれる。

食事をすること以上に、相手と付き合う価値があるかどうかを判断できる機会は無いだろう。

食べる方も、作る側も、いっしょに食事をすることで判ること、本当にたくさんある。

正月料理:欲望の暴走

正月料理を作るのに、野菜は28日頃、魚、肉系は30日に買って仕込むようにしている。

予算は大体1万円ほど。
うち、黒豆代が5分の1かかっている。

昆布巻きに使ううなぎは1700円した。
値段の高さに驚愕した。
昨年は、たしか1200円位だったはず。

これも予算の約5分の1だ。

野菜や肉などの値段は知れているから、5000円もあれば煮物、伊達巻、昆布巻き、なますなど基本料理はできる。

かまぼこもかずのこも買わない。
だって、美味しいと思わないから。

今回は、母親と食材を買いに行った。
スポンサー付きであることで食いたい食材を買い込んだ。

まず、豚肉。バラとロースと2種類。
メニューを頭に思い浮かべながら買い込む。

チキンもモモと手羽元の2種類を買う。
作る料理が違うからだ。

たらはフィレと一匹の値段が同じだ。

当然、一匹買う。
あまったら、たらのそぼろを作って、ポテトサラダに混ぜたら旨いだろうなあ、と妄想する。

スモークサーモンを見たら、サーモンマリネが食いたくなった。
で、これも買った。

予算を少々オーバーしたが想定内だ。
欲望が暴走した結果だ、仕方ない。

しかも、食いしん坊な人たちと正月は宴会だ。
作ったら食ってくれる人はたくさんいる。

でも、キッチンはひとつ、そして私は一人だ。

すでに、正月料理以外のプロジェクトがキッチンでは進行中だ。

たら一匹、肉料理4品。
そしてサーモンマリネ。

これ、大丈夫か、私?

明日は大晦日。

本当に、全部食い物にになるんだろうか。

かわいそうな食べ物達

あまり怒る性格ではないけれど、実家に戻ると血圧の上がる機会が多い。

それは、母が食い物を無駄にするからだ。

彼女は、無農薬にこだわった食生活をしている。
なのに、料理はほとんどしない。
結果、美味しいものを腐らせる。

その神経が理解できない。

今回は「安かったから」と買った青森産のにんにくをビニールに入れたまま保存していた。

空気にふれていないので、半分が駄目になっていた。
こういうことがあると、本当に腹が立つ。

冷蔵庫をあけると、たくあんがある。
誰かから貰ったらしい。

カットもしていない。

かつて、この家に来たたくあんがきちんと食べられた記憶がない。
常に白くカビてぬるぬるになってから捨てられていた。

このままでは、このたくあんもこの道を歩むのは火を見るより明らかだ。
だから、ふくしん漬けに作り変えた。

これなら、まだ未来がある。

そのために、なすを買う必要があった。5本で400円もした。

さつまいもなら、一袋100円なのに。

開いた口がふさがらない。
一本だけは売っていないから、仕方なく買ったが、夏野菜を冬に欲しがるほど馬鹿げたことはない。

きのこは「食べようと思って」買ったものが、3種類も残っている。

もうへろへろだ。「何故、食べきれないなら冷凍をしないの?食べ物粗末にするとばちあたるよっ」と母親に声を荒げることになった。

でも、きっと神様は許してくれるはずだ。

食べ物は食べられるために作られたのだから、買った人はちゃんと食べる義務があること、忘れないで欲しい。