かつて「洋生」と呼ばれていたケーキ。
地元に帰ると、必ず買いに行く。
これは、ほとんど唯一の贅沢だ。
このケーキが、だいたい毎月2度入れ替わる。
ひな祭りや入学シーズンに合わせてかわいいケーキが登場する。
食いしん坊にはまったく興味がない。
だって、おいしさが重要で、見た目は「シンプル is ベスト」だと思っているから。
でも、このケーキ屋さん、どんなにかわいいケーキでも甘みを抑えて美味しいものだ。
それにやはり商売。
「かわいい」ビジネスが盛んな日本の企業なら、「かわいい」に走るのは理解できる。
でも、なぜ「ひよこ」なんだろうか?
この丸みを帯びたモッツレラチーズのケーキ、ものすごく美味しい。
でも、食べる時に脱力する。
だって、ひよこなんだもん。
たしかに、モッツレラチーズの形に似てなくもない。
真っ白のままでは、確かに地味だ。
じゃあ、頭に小豆大のチョコでも乗せたらどうだろうか。
たぶん、女性の乳房みたいに見える。
2つ売れ残ったなら、ショーケースでとんでもなく目立つだろう。
で、思った。
だから「ひよこ」に見えるようにしたのかも知れない。
たしかに、これなら造形的に他のものを想像できそうもない。
「ショーケースでいくつも並んだ時、魅力的に見えるか」という課題はケーキはもちろん、パンや惣菜すべてに言えること。
でも、重要なのは美味しさだ。
美味しいから何度も買いに戻る。
不味ければ一度で終わり。
どんなに着飾っても不潔な女性って判ったら男は戻らない。
結局、欲望に対する人間の行動に大した違いなんて無いんだよねえ。
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