感動したおにぎりを買った店の前を通ったら「テナント募集」のサインが張ってあった。
しばらく開いていなかったから「持つかな?」とは思っていた。
とても残念だ。
だって、本当に美味しいお米を出す店だったから。
ただ、兆しはあった。
それは、店のすべてが「判りにくい」ということ。
アルファベットを使っていたから、店の名前が判別できない。
ランチとバータイムがあったけど、何が売りかわからない。
「こだわりのご飯カフェ」らしいが、店のレイアウトは吉野家だ。
雰囲気もそう。
テレビがずっと付いている。
内装が白だから、物凄く寒く見えるが、入り口とカウンターの距離は、ラーメン屋のそれだ。
今更だけど、店のコンセプトやロゴを検討し、ビジュアル化できていたら消費者も利用しただろう。
路面店であるメリットを生かして商売するなら勝算もあった。
たとえば、「美味しいおにぎりとお弁当」というような判りやすさだ。
でも、オーナーにはこだわりがあった。
ただ、こだわりが消費者には判らなかった。
ニーズがあってビジネスが発生する。
そして、そのニーズは年々変わる。
でも、思想に基づいた情熱を持った人の価値観は、ニーズを生み出す。
そのためには、その価値観を「判りやすく伝える」必要がある。
恋人でも消費者でも相手に伝わらなければ何も生まれない。
デザインはこういう「判りやすさ」を提供するものだ。
この見えないデザイン力の統合は手で掴めるものではないので「無料」だと思っている。
でなければ「安価」なものと思っている。
まあ、それは失敗してから「そうじゃあない」って判るんだけどね。
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