2014年2月3日月曜日

プロの料理人はあちこちに居る

友人と食事をした。
彼女は、かつて営業本部長だった。
その彼女の「友人の店」で会うことになった。

だいたい、老舗のお菓子屋の娘だから、味には敏感だ。
加えて、社員時代に予算を使いたいだけ使ってうまいものを食べ続けた友人の舌は、半端じゃあない。

店に着いたらまだ友人は来ていなかった。
場所こそ雑居ビルの中だったけれど、入るのが躊躇うほど格式が高そうな和食の店だった。

平日だけど割りと混んでいるということでカウンターの板さんの前で食べることになった。

まず突き出しが凄かった。

酒の飲めない私の入れ歯を歯軋りさせるほど「酒の肴」には最高の料理が3品並んでいた。

まずは塩辛。

人生においてこれを特に美味しいと思ったことが無かった。
しかし、これは「本当に美味しい塩辛」を食べたことが無かったからだと確信した。

また、うっすらとピンク色の豆腐。

春のイメージだ。味わうと桜の味だ。
桜の葉っぱでだしを取ったそうな。

これは、すでに「料理」の域を超えている。
材料があるからと言って、作れるようなものじゃあない。

そして、おくらの胡麻和え。
これまた、素晴らしい一品。

ほんの少しであっても、本物の味だ。

その後、食べたものは刺身の盛りあわせ、はも焼き、そしておにぎりのお茶漬け。

量的には少ないけど、すべての料理に感動した。

だから、友人が突き出しを残そうとしたから、つい感情が出た。

それは「作り手に対してとても失礼なことだっ」と、彼女が年上であることも忘れて説教じみた言葉が出た。

だって、本当にそう思う。

本物の料理人は有名である必要はない。
料理を食べれば判ること。

料理の値段は食材の値段ではなく、彼らのプロの技に払うべきだ。

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