仕事に向かう道中、ある観光地の前を通る。
そこには、大きな池があり、オス、メスの鴨が何羽も、のんびり浮かんでいる。
それを見て観光客は「きゃあ、かわいい。」とか言っている。
でも、私はそうは思わない。
なんて、美味しそうなんだろう。
心から、そう思う。
だって、丸々太った鴨が群れになっている。
ご馳走が目の前にあるのに、食べないでどうする?
でも、採ったら犯罪だ。
だから、思うだけで我慢するけど。
鹿や鴨、フランスでは「ジビエ」と言われている。
時期もあると思うけど、野生の肉は硬くても本当に味や風味が強い。
そんな言葉も知らなかった時、そんな肉を食べた。
味の記憶は小学生時代までさかのぼる。
昔、猟師の父親を持った同級生がいた。
彼女のお父さんは、猟師の傍ら、ドライブインを経営して、そこでは彼が猟で採った動物達が焼肉になって提供されていた。
今でも覚えている味に熊がある。
臭い肉だった思い出しかないけれど、鹿は子供心においしいと思った。
鴨に代表される鳥がいたかどうかは覚えていない。
鴨は何度かフレンチレストランで食べたが、たいていは燻製だったような気がする。
ただ、毎回とても美味しかった。
そんな記憶が、池の鴨に対して「うまそう」と思う気持ちを呼び起こすのだろう。
鶴を見て「うまそう」とは決して思わない。
でも、丸々と太った鴨は食欲を刺激する。
たぶん、大昔の原人も同じような気持ちになったから、鴨に向けて矢を放ったのかもね。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。