いつも行くお菓子屋には、ある時期からチーズスフレが定番商品として登場した。
もう15年近く前だろうか。
地元の友人が上京した時、わざわざ買ってきてくれた。
当時の新商品だった。
商品名は「醍醐」。
意味は、簡単に言うと「めちゃくちゃ旨い」ということ。
で、初めて食べた。
ちょっと潰れたチーズスフレ、名前の通り、めちゃくちゃ旨かった。
本来の「醍醐」はクリームみたいなものらしい。
もちろん、このチーズスフレも生クリームやクリームチーズで出来ている。
ただ、これだけでは特徴が出ない。
だから、パッションフルーツビューレが入っている。
この酸味と風味がものすごいインパクトを与える。
同じ酸味のあるフルーツでも、これがイチゴでは平凡な味になるだろう。
ただの「イチゴクリームスフレ」が「醍醐」なんて商品名なら名前負けしてしまう。
パッションフルーツ、当時も今も、安い食材じゃあない。
でも、独特の酸味と風味はお菓子の個性を引き立て、商品をただの「スフレ」から「醍醐」に変えている。
もちろん、この味が歴史で言われる「醍醐」の味であるという訳ではない。
でも、それほど「美味しい」と言われる味に近いはずだ。
オリジナルの意味はミルクからできる「美味しいもの」だけど、このお菓子はフルーツの力を借りている。
つまり、この味は「動物」と「植物」が作ったものをバランスよく協力して作られたもの。
美味しさに必要な「バランス感覚」と「協力関係」。
これって、生産(製造)者と消費者にも同じことがいえるような気がする。
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