2014年2月13日木曜日

食べ方が判らない時

お土産にした酒かす漬けの鮭、店の前で買う商品を決めかねていると、年配のお客さんがわらわらと寄ってきてわれ先にと決めてゆく。

でも、私はまだ迷っていた。

いままで酒かすの切り身で旨いと思ったことはない。
大抵、しょっぱいから粕は洗い落とす。

でも、これは大吟醸だ。
だから、店員さんに聞いた。

「酒かすは焦げちゃうから洗い落とすべき?」

そうしたら「つけたまま弱火で焼いて下さい。そうしたら、焦げませんよ。粕もおいしいです。」と教えてくれた。

その通りに焼いたら、焼け過ぎず、でもちょっと焦げて、うまい按配で仕上がった。

酒かすの味は、鮭と混じるとなんとも言えない風味をかもし出す。

唸るしかない。

大吟醸の酒かすだからかもしれないが、甘みの強さが塩味を和らげる。
実際、塩気もそれほど強くない。

塩分を控えると腐りやすくなるけれど、腐る前に食えばいいだけの話だ。

以前に、「八つ頭(さといもの親芋)」を八百屋で初めて見た時、食べ方が判らなかった。

そうしたら、八百屋のおじさんが教えてくれた。

商品のおいしい食べ方は、売っている彼らが一番良く知っている。
本物を作っている人たちや、それを売っている人はみんな知っているのだ。

料理人の創造性を尊重するが、旨いものをおいしく食べる方法は、シンプルなのが一番。

焼くが煮るだ。

でも、この火加減や下ごしらえが結構微妙。
知っていると知らないでは大違いだ。

スーパーの魚が安いのは、生産者の知恵が値段に含まれていないからだろうね。

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