毎回実家に戻ると、帰りは戦後の「買い出し」みたいに野菜を背負って帰ってくる。
先日は、白菜1個と大根2本を担いできた。
農家から分けて貰った大根は土を埋めて保存していたものを掘り起こした。
だから、絶対うまいはず。
これをぶり大根にするために、わざわざ大丸まで行って、ぶりあらを買ってきた。
大根を米ぬかで下茹でし、ぶりあらを湯がいて、鍋にぶち込む。
次は酒としょうがだ。
酒は以前使った余りをビンにとってあったはず。
まず、それを使って、砂糖、みりんを入れて、煮た。
いったん冷やしてから醤油をいれて味見をする。
酸っぱい??
魚が腐ったか?
そんなはずはない。
もう一度味見をする。
やっぱり酸っぱい。
何故?
必死に考えた時、はたと思った。
余っていたのは酒ではなく、酢だったかもしれない。
そうだ、あれは酢だ。
ああっ。ぶり大根に、酢を入れてしまった。
でも、味は悪くない。
食えない訳ではない。
タイ料理のサンラータンを思い出させるような味だ。
でも、想像していた味じゃあない。
せっかく旨い大根、おいしいアラを使ったのに。
で、ひらめいた。
「ゆず」があるじゃあないじゃあないか。
凍していたゆずの薄切りを適当に放り込んで味見する。
いける。
ゆず風味のぶり大根。
悪くない。
結局、美味しいもので作る料理は、何とでも旨くなる。
調味料の量だって控えていれば、修正は可能だ。
とは言っても、二度目を作る気はないけれど。
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